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2016年03月26日

むかし、むかし。

家相の話をあるところでしていたら
椿の木は、花がぽとりと落ちて
縁起が悪いと、言われた方がいた。
首が、落ちたように感じるのだと。

たしかに、武家の家でそのような
話を語る時代劇を見たような気がします。

風水的には
椿は、その木が茂れば
縁起がよいといわれています。

以下のような
お話は各地にもあるのでしょうが、、、。

首が落ちるというと
昔、江戸時代に
上内には
逃散という百姓一揆のような事件が起こり
首謀者は
十数名が処刑されました。

その処刑場の後は
今では道路となり
上内のほとんどの人も知りませんし
伝え聞く場所と、郷土史家がここだという
場所は大きく違うようです。

私は伝え聞く場所が正しいと思います。

文献を
その時代の人、書いた人の立場に沿って
考えると、古老たちより伝え聞く場所のほうが正しいのは
そこにある、お地蔵さんや社日神社が
静かに今も祀られていることに納得がいくのです。

処刑されたのは、リーダー格
今で言うならば公民館長、このあたりでは
町内会長を公民館長と呼びます。

今と違い
車も走らず
昼間から静かな山村ですから
泣きわめく声が、上内中に響き渡ったことでしょう。
処刑された理由は
年貢米の厳しさに耐えかねて
今の熊本県、つまり柳河藩以外の地域へ
逃げたので、立花家が
徳川将軍家に対してメンツをつぶされたからだと
聞いたことがあります。

その遺体からは
大量の血が流れ出たことでしょう。
それは、下々に流れていったのです。

供養のために何か
行うことも
謀反となったので
上内の内膳家もなにもできなかったと聞いております。

後年、慰霊とわからないように
慰霊碑や、こうして地蔵や
悪天候で作物が
実らないことなどが起きないように
社日神社を創建したのでしょう。

当時、墓石には
名前も刻めなかったのですよ。

それが、元で
吉ヶ谷に堤が作られ
だんなんさん祭りが
今でも
上内八幡宮で行われています。

最近では
お地蔵さんの世話方も
社日神社の氏子さんも
数がずいぶん減りました。

だんなんさん祭りの
しめ縄を作るのも
いやだという人が増える始末の現在。

例大祭が12月、だんなんさん祭りが
10月、二度もしめ縄を作るのは
おかしい、ヘンだと声高らかに言う
今の上内の人たちを、
遠い遠い御先祖(みおや)様は、
幽世(かくりよ)にてどのように
お感じで見ているでしょう。

ある元総代に、このことを話したら
絶対、でけんばい、神様のことは簡単に
変えたら、いかんばい、といわれましたが、
私は、バチが当たるとも
何も言うまいと思っています。

先の地蔵さんは
土地の持ち主が
かわり、
出て行ってほしいと世話方に対して
暗に言われたとか、
私は、そういうときの移転のお祓いは
絶対しませんよ、
悪いことはすぐには起きずに
忘れた頃に起きるから。

第一、多くの犠牲の下に
今日ある日本であり上内です。

何も知らない人に
多くの人に
宮司一人で説明するには
多勢に無勢
限界があり、その気持ちも失せるような
言葉も時には耳に入ります。

そこで思いました。
何も知らずに亡くなられたら、
それが、もしかしたら
地蔵に出て行けと考えたり
しめ縄を作る手のありがたさもわからず
面倒だと大声で叫ぶ人たちに
やがて来たるべきあの世に旅立たれた後
幽界にて、さまようべきは
先に処刑された御先祖(みおや)様では
なくて、その人達ではないかと。

天国だか極楽だかわかりませんが
肉体から魂が離れてから
そこに向かうまでの間
7年に一度のしめ縄を作るより
数年に一度の地蔵の世話より
大変な目に会われて
お気づきいただくしか道はなしかと
頭に浮かんだりした次第。

そういう話が公民館の行事、集まりにおいて
でたということを風の便りに聞いたとき
妙に、処刑された人たちと
公民館長さんらが
重なって感じてしまった。

私が数年前に
公民館長をしたときには
大牟田市から絶対に
宗教、神社の話は、
公民館長の集まりでしたらだめですよ。
と念をおされたのに
昨今は、
神社のしきたりの不満がでることもあるらしく
どうなってんだい?

こういう
お話は
書くのも疲れる、

遠い祖先のすすり泣く声が
今夜の風の音でしょうか。

私にできるのは
だんなんさん祭りや例大祭において
神様への祝詞奏上のあと続いて
辞分(ことわけ)て
遠い上内の御先祖様方の
御魂の慰霊を神様にお願いすること
それは処刑された人も
そうではない上内の人も含めた方々
そしてかつて八幡大神様を頼りお参りされた
多くの方々の御魂をも
お慰めくださいと
祈ること程度しかできない。

生きてる人間に説明するのは
大変です。


むかし、むかし。


















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Posted by 矢野高貴 at 23:48│Comments(0)上内千夜一夜物語
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